先日、楽天から自社で基地局を設置し携帯電話事業を展開する「楽天モバイル」の料金プランの発表がありました。個人的には非常に残念だと思いましたので、いろいろと愚痴を書こうと思います。

Contents
楽天モバイル(MNO)について
楽天モバイルは、2020年4月8日にサービスを開始する(先行モニター向けのサービスは開始済み)携帯電話サービスです。
現時点でわかっている楽天モバイルのサービス内容ですが、以下の通りとなります。実際の「使ってみた」感想は、IT系ジャーナリスト、5chを参考にしています。
- 月2980円の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」が唯一。
- 新規ユーザーは1年無料。
- 最低利用期間・解約金など「Rakuten UN-LIMIT」ではなし。
- 「Rakuten UN-LIMIT」では、楽天モバイルが展開するエリアは、データ通信が “使い放題” 。
- 楽天モバイルのエリア内において、コミュニケーションアプリ「Link」の使用で、国内通話無料、海外から国内への通話も無料、海外から国内の通話は月額980円の料金がかかる。
- 楽天モバイルエリア外はKDDI(au)ネットワークにローミングし、KDDIエリアでは
月2GBまで使用可。超過後は128kbpsに通信制限。(2020年4月22日訂正:月5GBまで、超過後1Mbpsに通信制限となりました) - 楽天モバイルエリアはかなり狭い(2020年3月現在)。
- 楽天モバイルエリアでも屋内(商業施設・地下鉄など)はKDDIネットワークに接続。
- 楽天モバイルが販売する端末は、SIMフリー仕様。
- 楽天モバイルエリア内でも、通話が突然途切れたり、データが流れてこなかったりなど。(IT系ジャーナリストより)
- 楽天モバイルのSIMをアクティベーションする際には、楽天モバイルが販売する端末がほぼ必須。家電量販店などで販売されている “純粋” なSIMフリー端末ではできない場合も(5chより)。
- iPhoneのeSIMにも一応使えることは使える(5chより)。
- 国際ローミングにおいて、フランスの通信事業者・Orangeと協業。
ざっと書いていきますが、これはこれから叩いていきます。
月2980円で完全データ使い放題はどう?
楽天モバイルエリア外につながる “パートナーエリア” 接続時の月2GB制限は痛い
先日発表された楽天モバイル(MNO)の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」では、楽天モバイルが自社で基地局を立てて運用しているエリア内であれば、月2980円でデータ通信が無制限で利用することができます。
ただ、楽天モバイルのエリア外では、KDDI(au)ネットワーク(地図ではパートナーエリア)に接続され、月に2GBまでの通信しか行うことができません。(2GB超過後は128kbpsの低速通信)
(2020年4月22日訂正:月5GBまで、超過後1Mbpsに通信制限となりました)
これは、楽天モバイルがKDDIからネットワークを借りて(ローミング)、楽天モバイルがエリア展開を進めて行く中で、地方を補完する形でエリアとしています。
また、都市部でも屋内(トンネル・商業施設・地下鉄など)のエリアの補完をする形でKDDIとローミング接続を行っています。

2GBというと、ソフトバンクHPでは、動画の視聴では9時間程度利用できるとしていますが、実際にはTwitterなどで盛んになっている動画を用いたコンテンツや、高画質な画像をたくさん使用したサイトが多くなっている関係で、個人的な経験からすると、スマホのヘビーユーザーなら2GBはあっという間に使用してしまいます。
データ無制限を求めて楽天モバイルを使おうとするユーザーは、月2GBではとても足りないと思います。
月2980円で2GBまでしか利用できないというのは、楽天モバイルがKDDIと契約してローミング接続をするにあたって、1GBあたり月465円程度、楽天モバイルはKDDIにローミング手数料を支払わなければなりません。それを踏まえて、楽天モバイルのユーザーがKDDIエリアで100GBを使ったとすると、楽天モバイルはKDDIに約4万7000円を支払うこととなり、楽天モバイルはかなりの大損となってしまいます。
今回の措置は、去年10月から実施されていた無料テスターユーザーの使用スタイルから判断されたものだと思いますが、月2GBでは足りません。
楽天モバイルの回線品質はかなり悪い
楽天モバイルが展開する基地局を用いたモバイル回線の品質は2020年3月現在、かなり悪いものとなっています。5chを見ても、「繋がらない」「繋がっても切れる」「楽天モバイルとKDDIネットワークの狭間は電波を掴まない」などの声が聞かれています。
楽天モバイル、都内でも極端に繋がりづらいところがあったりする。御茶ノ水駅周辺は大体弱い。あとビルとか建物の中も。それと切断されてから本体を振ると回復することがある。これは端末の不具合かもしれない。
— 下町の白虎丸 (@xthe555) February 19, 2020
この前の発表で楽天モバイルのエリア確認したけど,神戸だとローミングエリアに切り替わる部分で繋がらない現象が起こるな.JR芦屋駅付近とか神戸方面からJR尼崎駅に入るときとか
— Kossy@静御前 (@KossyDark) March 5, 2020
家電量販店など・他MVNO事業者販売のSIMフリー端末もしくはキャリアのSIMロック解除済端末でのSIMカードアクティベーションは困難か?

5chの情報ですが、楽天モバイルのSIMカードを購入し、SIMカードのアクティベーション(SIMカードの電話番号を楽天モバイルネットワークで書き込む)を行うにあたって、一般の家電量販店で販売されていたり、OCN(goo Simseller)などの他MVNO事業者もしくはキャリア販売のSIMロック解除済端末でのアクティベーションは不可能と現時点ではされています。
推測ですが、楽天モバイルのSIMカードにはフランスの通信事業者・Orangeの情報も書き込まれ、一般的なSIMカードとは仕様が違うようです。それに加えて、楽天Linkという通話アプリも独自仕様となっているため、SIMカードの仕様がいわゆる “ガラパゴス” 化しているという情報もあります。
SIMカードのアクティベーション後、iPhoneでの利用は一応可能

これも5chの情報ですが、一度、楽天モバイルのネットワークにおいてSIMカードのアクティベーションを行うと、SIMカードを当該端末から差し替えて、iPhoneの利用が可能という情報も書き込まれています。
使えるのはA12以降のチップを用いた端末とのこと。
楽天モバイルのeSIMをiPhone 11 Proに設定してみた https://t.co/GbXvk1fbQS pic.twitter.com/F8eXpJrWTW
— 山本竜也(???) (@dreamseed) March 7, 2020
iPhone以外のSIMフリー端末ではアクティベーションをしても使えない場合も
5chに書き込まれた情報ですが、Zenfone 6といったメーカーで楽天モバイル対応が謳われている以外のSIMフリー端末(ファーウェイ・OPPOなど)では利用できないといった情報もあります。
楽天モバイルでは、iPhone以外のSIMフリー端末・キャリア販売のSIMロック解除済端末でのデータ通信・電話は不可能な場合が多いとのことです。
楽天モバイル購入以外の端末では、使えないことを見越したほうがいいでしょう。
楽天モバイルの販売するスマートフォンなどはSIMフリーです。ドコモ・au・ソフトバンク・MVNO(格安スマホ)のSIMカードを使うことができます。
で、結論は「今はやめておいたほうがよさそう」
筆者の結論は、「今はやめておいたほうがよさそう」という点です。
月2980円で加入しても、KDDIエリアが月2GBのみ、楽天モバイルエリアが電波の関係で利用しづらいなどあると、1年間無料で持ててもリスクが高いです。
しかし、楽天の得意技・あとから料金プランの詳細などを変更するといった点もあるため、本当に楽天モバイルで遊びたい方以外には契約しないほうがいいでしょう。1年間無料が早期で終了したら目も当てられません。
筆者は楽天モバイルを契約しません。遊べるのは事実でも、あとから料金プランの詳細が変更されて痛い目に遭うのは避けたいところです。